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煎言万語 vol.2

  • #コラム
  • #地域社会

最近「分解」についてよく考えるようになりました。打ち合わせ中にふと思ったんですよね。「⾃分がやっている仕事は分解だ!」と。

少し前までは、ぼくの仕事をひとことで⾔うと「編集」だと思っていました。それは本を作るとか雑誌を作るという意味での「編集」ではなくて、ある事業の戦略やモデルを構築していくという⽂脈での「編集」です。最近は本っぽいものを作る仕事が増えてきてる気もしますけど…

世の中的にいうと、それは「コンサル」なのかもしれないですが、ぼくはどうしても「コンサル」的に仕事をしたくないという「こだわり」があります。なんでかと⾔われてもよくわからないのですが、なんとなく詐欺師っぽい感じがするんですよね、コンサル…(コンサルの皆さん、すみません。世の中には素敵なコンサルの⼈がたくさんいて僕も助けられてきました。ありがとうございます。)

なぜ「編集」がキーワードになっていたかというと、物事を「因数分解」して「再構築」することを⾃然と、しかも無理なくやっていることに、だんだんと⾃覚的になってきたからだと思います。それをぼくは「編集」だと思っていたんですが、どこかしっくりこないところもあった。よく使う意味での「編集」なんてやったことないですしね。


けれど、ぼくがやっているのは「分解」と「再合成」みたいなもんだと思うと、すごくいろんな物事がよく⾒えてくるんですね。⾔い過ぎかもしれませんが、⾃分の前に⽴ちはだかってくる障壁ですら、ほぼポジティブに⾒えてくる。

さらにもっと⾔うと、「分解」のほうがおそらく得意なんです。「合成」って⾔うのは、うまく「分解」できていると勝⼿に起きるとも思ってます。材料をばらばらとそこに置くと、⼤抵の⼈はおもしろいこと思いつけるんですよね。さらに「技」を持っている⼈たちは、もう喜んで作り始めるという状況になります。その「喜び」に出会えるときは素直に幸せです。

最近流⾏りの(?)発酵的な流れで⾔うと、僕は「地域社会の微⽣物」のような役割なんですね。夜の帰り道でそれに気がついたとき、少しニヤッとしていました。

「きれいに整理していただいて」とか「すっきりした」とか、「うまく⾔語化してくれてありがとうございます」とか、最近はよく⾔われるようになりました。僕からすると「あなたが⾔ってることそのままなんだけどな…」と不思議な感覚になっちゃうんですよね。そんなにうまいことを⾔おうとは思っているわけでもなく、ただできるだけシンプルに理解したいんですよね。そうした⽅が短時間で状況や⽂脈がよくわかるというのもあります。半分ぐらいお世辞や感謝の意が混じっているにしても、いろんな⼈に何度もそう⾔われると、物事を「整理」している以上の何かがそこにあるんだろうなと考えてました。その状況はすごく簡単に⾔うと「分解」なんだ、というのが⾃分の最近の発⾒です。

こういったふうに「地域の微⽣物」である⾃分の使命が⾃覚できると、やりたいことがどんどん出てきます。ゴムゴムの実じゃなくて、ニカニカの実だったんだ!みたいに、⾃分のことがよくわかってくると、⼤⼩あるにせよ「覚醒」してくるのかも。名前をつける、⾔葉にする、というのはそういうことなのかもしれないですね。

微⽣物が働いて分解している様⼦を、⼈間は「腐敗」と呼んでいるようです
が、この辺りの話はまた今度。では。